2013 vol.1 30年後の未来のために私が関わりたいこと
2013.1.26(土) いわき市社会福祉センター 【参加者数】75名
発起からわずか1か月。最初は小さく、慎重にスタートしたい意向から、参加の皆様には直接声掛けをさせて頂きお集まりいただきました。震災・原発の被災者支援関係の方。双葉郡から避難された方。放射能の不安のなか子育て中の方。いわきへUターンIターンした若者。NPO関係。医療関係。教育関係。行政関係。商業関係。農業関係。報道関係。などなど。寒さが厳しい中、いわきに関わるさまざまな皆様が足を運んで下さいました。
【ワールドカフェ】 カフェのような気軽な雰囲気の中、自発的に自由な議論を展開するワールドカフェ形式ワークショップによる他ジャンル多世代での対話の場を通して、いわきが抱える課題の抽出、問題点の共有を図りました。本来、席替えをしながら全体の話題を共有する形式なのですが、最初の対話セッションから非常に白熱し、ファシリテーターがマイクで席替えをうながしても誰も席を立ちません。10分ほど経って、ある方が「先ほど何か仰っておいででしたが・・」とファシリテーターに質問したのを契機にやっと席替えが始まりました。皆がどれほど対話の場を欲していたかの現われのハプニングであったと思います。2度の席替えをし、元のテーブルへ。参加者がシャッフルされ、各自の自己紹介や取り組むテーマなど、和やかな雰囲気の中、参加者ほぼ全員の話を間接的に共有することができました。
[キーワードで仲間集めをして対話】 自分が関わりたいキーワードごとに集まっての対話を行いました。テーマは、「いわきの30年の未来のために私が関わりたいこと。」A4用紙に「わたしが関わるキーワード」を書いて頂き、呼びあう仲間で、新たなグループをつくります。11のグループが浮かび上がり、最後には、それぞれのテーブルでの対話の結果を全体に向けて発表しました。各グループのテーマは、「子どもたちのための食の安全・雇用」「子どもたちを守る」「子育ての未来」「教育」「子どもたちの環境」「コミュニティ・つながり」「起業」「地域のブランディング・オリジナリティ」「自分の好きなことをいわきのために」「参加・調和」「いわき未来会議のテーマ(今後)」の11個。半数が子ども関連の話題になったことは非常に興味深く、関心の高さ、問題の幅広さ、深刻さを知ることとなりました。 アフターサロンの頃には、いわきでは珍しい雪が降り出し、外はあっという間に銀世界に。 いつまでも鮮明に覚えている、感動の雪の夜でした。
★ ファシリ・アイ ★
すべてを白紙からはじめる対話。結論の精確さを競いあうのではなく、そこに集った人たちが、未来のための何かしらの行動を、相互に承認しあう場。そんな場をいまこそ、と掲げた語りあいのテーマは、「いわきの30年の未来に、わたしが関わりたいこと」。未来会議の開設は、勇気のいる船出だったと思います。 原発事故後、わたしたちは、世界は一様ではない、という世界を生きていくことになるでしょう。優先順位も判断も意思決定も、どんどん多様化していくでしょう。その多様化をいとわず歓迎し、多様なまま、ひとりひとりが自律的に未来へ少しずつ足を運んでいく。そんな未来のつくり方。「モザイク画」の未来。ワールドカフェにはじまったこの対話の場は、そんなロールモデルを示すものであったと思います。(ファシリテーター:田坂逸朗氏)