ハマレシピ no. 001 「氷頭なます(ひずなます)」
氷頭なますは、鮭を使った福島県の郷土料理だ。鮭の頭の氷頭という部分を酢漬けにし、大根おろしと和えるシンプルな料理であり、見た目の透き通った軟骨のこりこりした食感がたまらない一品。お酒のつまみや、正月の祝い膳などで親しまれてきた。 木戸川・請戸川・夏井川など浜通りの川には、鮭のふ化場(鮭が産卵する場所)がある。その中でも、木戸川は本州有数の鮭の遡上であり、毎年1500万匹の稚魚を放流してきた。しかし、震災で鮭のふ化場が壊れ、また、原発の警戒区域となったために、稚魚の放流は中止されていた。 去年の秋から楢葉町の木戸川漁協は稚魚の放流を再開した。放流した鮭は、オホーツク海や、ベーリング海峡、アラスカ湾などを経由し、その多くは4年後に木戸川に戻ってくるという。まるでオリンピックだ。鮭が戻ってくる頃には、原発問題が解決方向に大きく進展していることを願うばかりである。 (奥野 成樹)
★ RECIPI ★
【材料】
・鮭の頭 適量
・塩 適量
・酢 洗い用 適量
・酢 甘酢用 200cc
・三温糖 大さじ3
・大根 1/3本
【レシピ】
① 鮭の目の上の部分を切り落とし、輪切りにする。
② 軽く塩を降り、そのまま1~2時間寝かせる。
③ ボールに入れて、酢で洗う。洗った酢は捨てる。
④ 新しい酢を入れて1~2時間寝かせる。
⑤ 水で洗い、よく絞った大根おろしを加え、酢(甘酢用)、塩、で味付けする。
⑥ 余分な水分を切って混ぜあわえて「氷頭なます」完成。