持続可能な農業を目指して
震災以降は苦難の連続でした。福島県産のなめこというだけで値がつかない。どんなに美味しいなめこが出来ても値段に反映されない。そんな状況に仕事に対する意欲は消え、日常の生活からは笑顔が消えました。
あれから3年、状況に変わりはなく、菌茸類は未だに風評被害が根強く残り、東電からの補償金を受けてさえも、非常に厳しい経営を強いられています。この先、今の経営を続けていくことは可能なのだろうか、そんな心配で心が潰されそうでした。
しかし昨年、アメリカの農業を視察し、私たちに足りないのは経営力と自立心であると気が付きました。そして、東電の補償金に頼らなくても持続可能な経営を目指そうと決めました。
今まで出向くことも無かった商談会にも出展し、異業種の方々が参加するイベントやプロジェクトに参加するようになりました。中でも、キリンビール主催のキリン絆プロジェクトへの参加と、内郷でフランス料理店を営む萩シェフとの出会いが私を大きく変えてくれました。
プロジェクトを通し、また人との出会いにおり、今まで気が付かなかったなめこの魅力を発見し、今まで以上にお客様を大切にし、もっとなめこの魅力を発信していこうと思うようになりました。そんな活動のせいか、少しずつ、レストランや居酒屋さんでの取扱店が増加し、今後はなめこの魅力の情報発信に力を注ぎ「いわきにおいしいなめこあり!」と言えるようななめこを作り続けていきたいです。